あしあと

「警部、おつかれさまです」

「ああ」


「警部、ひとつ聞いていいですか?」

「ん、なんだ?」


「事件現場に行ったとき、警部って必ず「怪人なめくじ男ではないな」って言うじゃないですか」

「ああ」


「あれは何なんですか?」

「・・・あれは、犯人が怪人なめくじ男であるなら、粘液の足跡が必ずあるだろうから、それがないということは犯人がそれではない、ということだ」


「・・・いるんですか、なめくじ男」

「いないだろう」


「・・・」

「まあなんだ、仕事中の、つかの間のオアシスだ」


「・・・じゃあ今までの事件で、恐怖ミイラ男が犯人だったこともないんですね」

「というと?」


「現場にひっかかった包帯をたどって犯人を見つけたことはないんですよね?」

「お前、そう言うけどな。そんなに都合よくミイラ男の包帯が現場の何かにひっかかるかね」


「まあそうですけど」

「それにお前、あれって最終的には復活を目的としているんだろう、それなのに、復活もせずにここいらを闊歩するもんかね、ミイラ」


「そんなこと言ったらなめくじ男だってそうじゃないですか」

「なめくじはそこらにいるだろう。ビールにつられる。」


「うーん」

「さらにだ。じゃあ包帯がひっかかって、その後を追ったとするよ。追った先には何がいるんだ?」


「そりゃミイラじゃないですかね」

「お前、間違えておじいちゃん捕まえてみろ、大目玉だぞ」


「確かにスリリングですね」

「包帯の先にミイラがいるのか、たまたまおじいちゃんがいるのか。神のみぞ知るってところだ」



本部長「えーそれではこれより会議を始める」


「あ、会議始まりますね」

「じゃあなめくじとミイラのくだりは、今度な」

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