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幻想動物生態・ゾンビ

完全憶測で、いるんだかいないんだかよくわからん生物を紹介する。

◆ゾンビ

和名:
ぞんび

生息地:
本土

ゾンビ職人の一日はカビの生えた紅茶の葉を取り除く事から始まる。

「一日のはじまりは、まじり気のない香りの紅茶が飲みたいのです」

ゾンビを作る人がカビの生えたものをとりのぞくのって、おかしいですね。

「ええ確かに。でも目指すところは同じなんですよ。純粋な、というか。ええ。」

そういって彼女は、ちょうど煙突のように地面から突き出ている金筒に近づき、手をあおいだ。

「まだですね。あの香りがしない」


この世界、無関係の人を勝手にゾンビにし、勇者にあてがう悪徳魔術師もいるが、彼女は生前、ゾンビ希望だった人のみをゾンビにしている。

「死んだらもうその遺体に自身はいないわけです。しかしせっかくだからその体を使って簡単な仕事でもしてこっちの世界に貢献したい。そんな人がわたしのところにやってくるわけです」

彼女の手で施されるゾンビは評判で、ほぼ生前と変わらないとされる。
もちろん生前の記憶はないが、基本的なコミュニケーションですらかわすことができるのだ。

「生前の記憶?。徹底的に排除します。なぜか?。これはわたしの仕事のコケンに関わります。」

「万が一、何らかの形で彼が自分がゾンビとして動いていることを理解してしまったとすると、その悲しみは計り知れないでしょう」

「それに、生前の彼を知る人が、彼の仕草ひとつでもそのゾンビから読み取れてしまったら、やはりそれは同じ事です」

「だから見た目だけです。彼が残っているのは。生前の記憶だけでなく、癖なんかも取り除きます。方法は企業秘密ですけど。」


痛みに激しさを増したゾンビは、その従事期間を終える。
彼女の徹底した仕事のためか、ゾンビたちを従事させていた人たちはそのゾンビに愛着を持つ。
だからそれを手放すとき、あたかも彼が再度「亡くなった」かのように嘆き悲しむという。

「泣きながらそこの碑に従事していたゾンビを埋める彼らを見るたび、悲しいですがこの仕事をしていてよかったと思うんです。そしてゾンビたちに対しても誇りが持てるわけです」


役割を終えたゾンビたちは大きな碑のもとに埋められ永世まつられることになる。
しかしそこから幾人もの腕がにょきりと出ていることは、企業秘密だそうだ。

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