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ちょっとそこまで。28

牛深市街にはほとんど滞在できなかった。

なぜか妙に混んでおり、つぶれていなかった港の「巨大お土産屋さん」も、何となく遠目で「やってるな」と見えたくらいだ。

路上に鍋を置いておけばビーフストロガノフができそうな天気なのに、混んでいる。

しかし街全体をみると、「のんびりしかない」雰囲気。

「のんびりしかない雰囲気」。
不思議である。


例えば、暇だからねりけしを懸命にねるとする。
一見彼はのんびりしているようにも見えるが、一方ではねりけし生成の錬金術の真っ最中なのだ。

しかしこの牛深の雰囲気。
「暇だからねりけしを懸命にねるわけだが、肝心のねりけしがない状態でそれをしている」とでもいうか。

目的のないのんびり。

ただ、よくよく考えると暑い日はこんなものなのかもしれない。
暑い日の昼間に出歩かない僕にとって、純粋なのんびりっぷりが珍しかっただけだろう。

暑くて仕方がないので、みんな家の中でビーフストロガノフを作ってるかもしれない。




どこかで昼ご飯でも食べようかと思っていたが、何となくカーを降りるのもおっくうになり、そのまま宿へ戻るとする。

途中、トイストーリーを模した手書きの看板を発見し、写真に収める。
そのデータがどこにあるのか、今も全然わからない。

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