おまえこわい。

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2012年カレンダーの回想です。
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10月9日 あなたの忘年会の出し物が、勝手に「カステラこわい」に決まりました。



「カステラこわい」のなかで、一言でも「紅茶が怖い」って言ったら、なぐるぞ。
先輩はこう言うと、ごつごつした握りこぶしを僕の顔に近づけてきました。

僕が所属するゼミの忘年会では、みんな出し物をする決まりがあります。

ほとんどは自己申告で出し物が決まるのですが、その会議に出られなかった者は勝手に決められてしまうのです。

僕は運悪く風邪をひいていて、決められてしまったのが「カステラこわい」でした。

僕はさっきの脅迫にすっかり肝を冷やしてしまい、もうこれはオリジナルストーリー。
主人公が最終的にカステラの角に頭をぶつけて死んでしまう話にしようと考えました。

しかしそれだけでは話として面白くありません。
話の途中、実際にカステラを頭にぶつけてみようと思いつきました。

デパートで高いカステラを買ってきて、さっそく角を頭にあててみました。
カステラは柔らかくてやさしく、僕の頭を気遣ってかのようにほろりと崩れていきます。

こんなやさしいカステラの角で死んでしまう。
ある意味こわいと言えなくはないでしょうか。

忘年会が来るまで、僕は何回もカステラを頭にぶつける練習をしました。
カステラは粉となり、僕はふけがたくさんあるように見えました。
また、糖分は髪を固まらせ、ドレッドヘアのようになりました。

そして周りの人は僕を避け、ひそひそと内緒話をするようになったのです。

僕はそれが嫌でしたが、忘年会までの辛抱です。



ついに忘年会の日がやってきました。
僕が意気揚々と教室に入ると、いきなり3人の生徒に捕まりました。

僕は暴れようにも四肢を押さえつけられて動けません。

すると、ある一人がよくわからない丸い機材を持ってきました。

そしてそれに頭を突っ込まされ、同時にスイッチが入りました。

軽いエンジン音を出しながら、風が出ているようないないような。
すると押さえつけていた一人が僕の頭をかきむしり始めました。

すると、僕の周りにモヤのようなものが発生してきました。
どうやらわたがしのようです。

どうも高いカステラを頭に当て続けていたせいか、ざらめが僕の頭の中に大量に混入していたようです。
それを知った同級生が、それ目当てにわたがし製造機を用意していたのでしょう。

僕の頭の周りのモヤは、どんどんその濃さを強めていきます。

いや、違います。
何か黒いものも混じっています。

どうやら僕の髪の毛のようです。
髪の毛がわたがしに絡めとられ、いっしょくたになっていきます。

僕は現状をほとんど理解できないまま、こう何度も叫んでいたと言います。

グレーのわたがしこわい、と。

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