西町

うそ旅のスタンスについて


「西町前」
広島県三原市の西町には謎のスローガンをうたったモニュメントがあると聞いている。
それはバス停からさほど遠くない広場に立っていた。

「あなたが紅茶を飲む時、角砂糖は2個である事を私は知っている。西町」

結構長い文章で、モニュメントもかなり巨大に見える。
しかしこれは一体何を意味しているのだろう。

興味を持った僕は近くにいた、「第一村人」と書かれた名札を付けたおじいさんに聞いてみた。
あれってどういう意味なんですか。

おじいさんはずいぶんくだけた感じで話し始めた。
「あー、あれの意味?。うんと分かんないんだけども、それよりどこから来たの?」
「東京?。すっとあれ、スカイツリーとか見たの?。いやこっちにも高い建物はあるんだけれどもね」
「あれなの?。東京の町はいつも美人アナウンサーが歩いてるってのは本当なの?」

要は、こちらの質問にはなぜか答えてくれない。
しかし、仕方ないので切りよく立ち去ろうとすると、こうくる。

「あもう行くの、そう。でもね、あなたが紅茶を飲む時、角砂糖は2個である事を私は知っているからね」

えっ、何ですかと聞く間もなく、おじいさんは近くのおばあさんともう話し込んでいるものだから、その確認はできずじまい。
一体どういうことなんだろう。

西町は区画がカオスに整理されていて、バス停近くの近隣地図を見てみると、ひび割れた厚化粧を思わせるような不均一な図形が所狭しと描かれている。

現在地点を示す赤い点から右に向かって歩いていくと、どんどん道が狭まっていくようだ。
コンビニを目安に、そちらに向かって歩いていく。

その道の両側は民家が続いていて、その壁にはずいぶん多くのホーロー看板が付けられている。
どんどん細くなっていく道の周りにたくさんのホーロー看板があるのは奇妙に見える。

そして道は鋭角をもって行き止まりになった。
来た道を戻ろうと振り返ると、たくさんの由美かおると水原弘がこちらを見ている。

お前らが俺の紅茶の角砂糖の数なんて知っているものか。
どうせうそなんだろう?。

かおるが目を伏せてみせた。

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