なぜか台北 その34

【あらすじ】

台湾旅行。

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「北竹」駅へ向かうために乗った電車内は特急電車「自強」とは異なる作りで、特に座席は日本の中央線のようなサイドにある座席と新幹線のような進行方向に対して向かって座れる、2パターンの座席が1両に交互に混じるような配置。

奇妙だ、と思う。
なぜこのような配置にしたのだろうか。

僕は開閉ドア最寄りの「中央線タイプ」の座席に陣取り、周りを観察する事にした。

先ほどの急行で通り過ぎた「北竹」のことを思い出すと、およそ5分くらいはこの電車と、運命と進行方向をともにする。
そう考えると、運命というと何か決定的な、厳かな雰囲気を出すものであるが、その実際はただの進行方向だけなのかもしれない。

そんなことをまず異国の電車の中でなんか考える余地なぞなく、さらにはドア付近の観察により、余地はマイナス値となった。


なんか、「open-close」的なスイッチがついているのである。


これは普通、駅到着時に開閉の手順があることを示していると考えてよい。
事実、僕はそう考えた。

操作方法がわからないのである。

台湾で日々、数多く開催されているという、地元住民の「電車降りるパフォーマンス」を見る機会があれば良いのだが、何せ僕の降りようとしている駅はおそらく次の駅。

ここで唐突に誰かが電車の降り方の説明を日本語でやり始めるということでも起きない限り、どうにもならない。

僕のつたない英語能力からすると、どうも「スイッチの上にあるレバーがONのときのみ、このスイッチ使って」と開閉スイッチの説明にあり、そのレバーは今、OFFだ。

しかしこの解釈が合っているかどうかは分からず、そうだとしても例えば次の駅から乗客側が「レバーをONにしてスイッチで降りる」などというイリーガルな方法を取るかも知れず、とにかく分からない。


確かに、「open-close」は良心的だ。

日本で時々見られる、「開、閉」の記載がなく「←→」「→←」のみのもの。
あれは結構、迷ってしまう。
どの矢印の動きが、開閉を示しているのだろうかと。




電車が制動しはじめ、意味の分からない車内放送が流れる。
「北竹駅」が近いのだろう。

運良く、この車両では僕の他に降りる乗客がおり、自信満々に彼の後ろに並ぶ。

結局、乗車してからの5分間全てをつぎ込んだ「open-close」的なスイッチは使われる事なく、「あつっ」と手を引っ込めたくなるような暑さのホームへ僕は降りる事ができた。

「北竹駅」に到着である。

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