新橋にて帽子屋。 その2

【あらすじ】

新橋駅に出てた路上販売の帽子屋が、最近いない。
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見なくなって一週間あまりが経過し、あの外国人はもう国に帰ってしまったのだろうとあきらめた。

確か、カナダの国旗が飾られていた。
あの、カナディアンマンの顔の70パーセントほどを占める楓の葉。
ホットケーキにかけると魔法のようにおいしくなるメープルシロップ。

僕にとってカナダはこのくらいの引き出ししか無いのだが、もしあそこの帽子屋で帽子を買っていたなら、「カナダ、鹿のもこもこした帽子」。
これが追加される。

それにしても、なぜあの人は路上で鹿の帽子を売っていたのだろうか。

もしかしたら鹿の帽子はカナダでは違法なのではないだろうか。
さすがに日本で鹿の帽子が違法、ということはないと思うのだが母国で違法だから、何となく路上販売を行い、何かあったらすぐに逃げられるようにしていたのではないだろうか。

というか、何かあったから逃げてしまった状態なのだろうか。
そもそも、カナダで鹿というのは、もしかしたらトナカイの事なのではないだろうか。



と、帽子屋がないせいでそんな憶測をしながらそこを通り過ぎる日々に、ついに終止符が打たれた。

知人の話によると、その帽子屋は路上販売する時間を変えたらしい。
僕はその時間にはそこを通らないのだ。

ちょうど知人と出会っている最中がその時間という事で、試しに行ってみるとあった。
鹿の帽子屋だ。

もう次はないと思い、一番気に入った帽子を手に取る。
え、7500円?。

これは、何日節制の限りを尽くさねばならないのかね。

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